絶滅して化石になったのに進歩ってなんだよ
七世代も終わるので、化石ポケモンがどれだけ強化されたか、評価されたかを振り返る記事です。追加された技やレートでの活躍を振り返ります。別に革新的な発見とかはないです。
それだけだと味気ないので、著者が使い勝手いいと考えた、7世代ROMのみで再現できる化石ポケモンの型も載せておきます。ここからテキトーに6匹選んで育成すれば化石統一ができるのでPTの組み方とかはみんなにお任せします。
レートとかはまったく詳しくないので、補足事項などがあればコメント下さると幸いです。あとこんな感想文に他の方の記事の転載許可をもらうのがおこがましいので、「2000到達記事あるよ」程度の紹介しかしません。何のためにTwitterやってるんだろうね?
各ポケモン紹介
オムスター
印象
七世代ROMでの強化はない。
種族全体としては、やはりVC限定の型が追加されたのがいいですね。砕ける鎧はけっこう色んな技と相性よくて、つのドリルで全抜き、リフレクター+上からステロなどの行動、鈍いと組み合わせて実質龍舞、頭突きで貯水ブルンゲルやヌケニン以外を怯みゲーなどなど…面白い手札が増えました。
シングルレートでも、ADぶっぱ鉄球最遅ジャイロでテテフのキネシスを耐えながらジャイロボールで確1、みたいな今まで使われなかった鋼技の発掘もありました。俺以外誰も使わんかったし正直あんま強くなかった
シングルレートではたびたび雨オムスター軸での2000到達記事が見れたので、化石ポケモンの中では一番強そう、と言っても過言ではないと思います。
使ったこと無いけどダブルバトルだとガオガエンとかマンダに強そうだと思いました(小並感)。
化石統一での型の一例
化石統一でもスタンダードな型が一番強い。うちのオムスターくんたちはハイドロポンプを必要な場面でしっかり当てるのでたぶん普段から信用して信仰しておくといいと思う。いあいあおむすたぁ。
カブトプス
印象
教え技にアクアブレイクが増えた。技としてはアクアテールの命中安定版として見られがちだが、チョッキや砕ける鎧といった耐久ベースのカブトプスがB下げという手段を手に入れた、といった印象を持った。
雨軸のエースはだいたいメガラグ一択なのもあって見かけない。メガ枠が物理で強いのが多く、耐久調整にB方面が結構割かれることも多くなった環境だと、ラグみたく雨を詰め筋とする物理ATか、水技の火力でごり押しする特殊ATのほうが良さげ。
雨メガッサムのPTだとしてもエースはグドラでいいとか思うし、取り巻きはスタンダードな雨じゃないほうがいいのかなぁと思う。滅びアンコ採用ニョロトノ+意地襷orZトプス+HABベースっぽい剣舞毒グライオン、みたいな(考えたこと無いのでふわっとしてんな)。
あとVC産が作れるのも大きな変化。ハイドロポンプはこの子の特殊最高打点だし(実際カバを落とす手段として優秀)、砕ける鎧の鈍いやリフレクターをオムスターよりも速く展開できるのが優秀。ロケットずつきやかまいたちは…うん。面白いと思います。
化石統一での型の一例
実際に使うとしたらこんな感じ。鎧発動で準速スカーフゲッコ抜き。D下げなのはじたばた撃つ相手が(化石統一内で突破手段の少ない)レヒレとかだから。
ステロを撒かれていてもATになれる、積みリレー的なのが弱点の一貫する化石統一にはいい感じにハマる。波乗りはカバルドン、アクジェはバシャに強くなるのでお好みで(左の型のアクジェでも弱保発動後確1)。
化石統一内だと一番早いすいすいATだから意地ASイワZもあり。それ専用の雨パが欲しいと思ったので単体ならこういう感じかな。
プテラ
印象
ぶんまわすがSMで追加。USMではきりばらいの復活、とぎすますの追加。
このポケモン、ふるいたてるを覚えないので、C上げ手段はZおいわいなどのZ変化技ととぎすますのみなのだ(Zおいわいプテラください)。素なら炎の牙より文字のほうが良いので使わなくもないかも。
ぶんまわすはダブルで味方を殴ったり、バトルロイヤルで高いSから削りきって星を稼ぐとかに使えるかもしれない。次世代にバトルロイヤルあるのか知らんけど。
きりばらいは相手の壁を崩して他のポケモンがプテラの次に殴るてきなことができてよさげである。そんな技スペースがあるのか(ry
やはりVC産を持ってこれるというのがこの子にとっても嬉しい。ゲーフリありがとう。
アクロバットは覚えないがB上げ手段の鈍いハーブは強いし、リフレクターを高いSから貼れるので、なんならりゅうのいかり砂羽1ウェポンなんてことやがまんの使用も候補に挙がる。
シングルレートでは、おいうちやじしんでゲンガーを仕留めるといった活躍を見かけることがあった。HP管理は難しいポケモンだが、メガ枠としての最低限の耐久はあるため、速さインフレの酷かった今世代ではなかなか優秀だったと思われる。
ダブルバトルでの追い風挑発ワイガフリーフォールといった良技のレパートリー、レベル1スペレなどの特殊ルールでもその速さを買われることが多く、木の実スペレでも夢特性の緊張感が活きるなど、活躍の場は世代を通してずっとあったため、プテラ好きにとってこの世代は有意義なものだったと思われる。
化石統一での型の一例
メガシンカ枠を独占できるので使いやすく、その中でもアタッカー運用が一番使い勝手がよく感じた。あまごいやちょうはつを持たせて、アタッカーかつ起点作りもよいが、思ったよりも固いことと火力が出ないことには注意。
役割論理でもSM初期に話題となったが、ミミッキュの上をとってアイへができるのが強い。無振りでも最速ガブを抜いている化け物。
ユレイドル
印象
七世代での強化はない。
やはり呼び水持ちの草勢として面白いので、ダブルバトルでオニシズクモの隣に置いたり、レヒレの隣に置いたり…隣のほうが火力高いってなんだよかわいいな
岩統一での水受け、草統一での炎対策として使う人が多いと思います。ファイアローはいなくなったようなものなのでだいぶ数は減ったとはいえこの子の仕事は変わらないなぁ、と感じます。
化石統一での型の一例
左はカバルドンとかをとおせんぼうでキャッチして積み切るユレイドル。全技のPPを最大にすることを推奨。選出誘導できるタイプ統一の利点もあって、かなり刺さる。
右は無難に仕上げた呼び水ユレイドル。無振りカバ抜きやランク+1で無振りゲッコ確定、無振りポリ2のランク+1冷B確3、あたりの欲望剥き出しな感じがする個体。実際、水タイプに投げられるユレイドルは岩統一の数少ないサイクルを回せる駒なので少し振り分けるか努力値ぶっぱが正義である。
今回は入れることがなかったが、普通にHCミラコ持ちとかでもいいと思う。
アーマルド
印象
USMでじだんだとアクアブレイクを習得。
じだんだはダブルバトルでは単体を選んで攻撃出来たり、命中率の低めな岩技と相性が良かったりする。アクアブレイクはブレイククローよりも使い勝手のいい、アーマルドのB下げ手段なので使い道はなくもない。
小ネタだがUSMでしれっとアーマルドのレベル技になったむしくい。前まではきりさくだったこと、進化前はどっちも覚えるので気にすることはないだろうが…
どうしても単体アタッカーとしては火力インフレについていけなかったり、すいすいエースとしては遅めだったりと普通に構築に混ぜるには難しいポケモンではある。しかし、タイプ統一としては等倍受けのできる耐性・耐久や先制技持ちに事故の無いカブトアーマーという安心感のあるポケモンなので、この子のために化石統一を始めた筆者にとっては今世代もよく戦ってくれたと感じる。
化石統一での型の一例
上でも少し触れたが、アーマルドは一回攻撃を耐えて返し(+アクジェ)で相手を倒すのが一般的に思われる。チョッキを持って特殊を相手にはたきおとすやばかぢからなど広い技範囲で殴っていくのが使いやすい。
ミミッキュに強いロックブラスト持ちの中でA種族値が高いほうなので、HB鈍いねむねごでミミッキュに強めの専用の駒にするのも悪くはない。
ラムパルド
印象
USUMでじだんだととぎすますを習得。
どちらも解説は既にしたが、ダブルでギリギリトリパ採用できそうなSなのでじだんだはまだ使える可能性(炎Pで良い場面は多い)、とぎすますはC上げ手段の代替品となる。
弱点の一貫することから、化石統一では耐久が無いことがそこまで苦にはならないため、行動を保証するための襷かスカーフかS振りなどは必須だがその火力の高さは優秀である。
グロパンや特殊技の範囲の広さから、物理一本ではなく特殊をサブウェポンにしたり、型破りでミミッキュの化けの皮を貫通したり、ポリ2を物理で突破したりとやりたい放題ができるため、PTや相手を選べばだいぶ強い駒である。
化石統一での型の一例
気を抜いたメガルカリオの上をとって地震で確一にできる最速スカーフ。普通の型だがどの世代でも一定の需要を持つ。無補正Aぶっぱの諸刃でも十分火力は出るため、4倍弱店がつけるなど以外は諸刃でよい。
一つ仕込みたいという方には、HB鈍いをお勧めする。ナットやバシャにワンチャンできること、カクトウZでガルーラにワンチャンもてるなどきついポケモンを見れる範囲は広くなる。
トリデプス
印象
USUMでじだんだ習得。
解説は以下省略。最も、火力が低いために技威力の低いこちらを選ぶ機会はほぼないが…
化石統一としては、岩タイプ屈指の特殊技の習得度合いなため、4倍弱点をつく前提の特殊型が多く作られる。また、従来のPTに入るようなBかDに伸ばすのも手であり、持ち物補正無し4倍技を頑丈まで持っていかないタフさからステロ撒きや地割れ、通せん坊毒などもこなせる、受けて何かするスペシャリストである。
化石統一での型の一例
持ち物の奪い合いが発生せずに、運負けもカバーできるフォーカスレンズ持ち。達人の帯は命中安定技よりも若干火力は出る。ナットレイの下をとる必要がないのでS下降補正はかけているが、メタルバーストが相手の下をとる必要があること、イカサマダメージを増やすだけの選択だったりする。
アーケオス
印象
USMで教え技にサイドチェンジときりばらいが追加。
どちらも遺伝技に既にあるものだが、これによって遺伝技が実質6つになったと言っても過言ではない。アーケオスの性能上、サイドチェンジで攻撃を相方に集めたり、きりばらいでステロ展開を仕切り直しながら追い風を後続に繋ぐという挑発ではできない芸当もできる。
化石統一としては2番目に高いSでなおかつガブリアスをしっかり抜けるので、ガブ抜きギリギリで止めて鉄壁羽ゴツメなんて芸当もできなくもなかった。今作ではすりかえが上手くいかない場面も多く、拘りすり替えからのつめとぎ起点は耐久ポケモンに、上から挑発やイワZでアタッカー風味に、襷がむしゃらの起点作りにと使い方が白黒はっきり分かれるようになってきた。
レートではアーケデンジュギャラという特殊な並びでシングルレート2000到達者が出たり、TOP200禁止杯というポケモン実況者主催の仲間大会で有名ポケモンになったりと見かける機会はぐんと増えたように感じる。
化石統一での型の一例
使いやすいASぶっぱ。化石統一でとんぼ返りを覚えるのはこの子だけなので対面操作にも向いている(裏が受けられるとは言っていない)。熱風やはたきなどのサブウェポンなども火力は高いのでせっかちなどで採用はあり(C補正をかけるとなおよい)。
挑発で行動を縛って高火力を押し付けられるのがプテラとは違った芸当であり、A無補正でも上手くバシャの守るターンに空を飛べればしっかり落とせるあたりも面白い。
アバゴーラ
印象
SMで遺伝技にアクアブレイクを、USMで教え技にアクアブレイクを習得。
B下げ手段として優秀なこと、タイプ一致で恩恵を受けるのもよい。実際バンク解禁前は岩水は彼だけだったので新技と頑丈の存在(解禁前は型破りドリュおらず)に助けられたところも多い。
化石統一としてはSの近いトリデプスやユレイドルのように耐えて返す専門よりかは、アーマルドのようにS振りも考えられる枠かつ、物理特殊の技の偏重を調節する枠かつ、頑丈で厳しい相手にワンチャン作る枠や、高いBで型破り地震を耐えるなどのPT構成の最後の仕上げが仕事になる。気合い玉やハイドロポンプなどの威力の高い技によって、接触しがちな物理型よりもタイプ有利な相手への仕事が多くなる。物理の場合は積み技と組み合わせやすい。
余談だが、PGLを覗くたびにシングルレートにやんちゃアバゴーラ使いがいるので誰かが毎回のようにやんちゃアバゴーラを使ってレート1600前後より上の成績を残しているということである。型を教えて欲しい。
化石統一での型の一例
無振りカバルドン抜きかつD特化カバルドン高乱数1(75%)かつA特化ドリュウズの持ち物無し地震耐え。気合い玉は非接触ナット用など、ピンポイントな型だが選出誘導の簡単なタイプ統一だとしっかり仕事してくれる。
ガチゴラス
印象
USMで教え技にじだんだを習得。
どちらかというと頑丈イバンでつのドリルを外して地面技、など進化前のほうが使いやすいかもしれない。
化石統一としては、頑丈顎からの豊富な牙技に強力な諸刃の頭突きと攻撃性能も高く、甘えるのような物理カット手段や最速スカーフでの130族抜きと物理攻撃/受け方面でのエキスパート感はラムパルドよりもふさわしく思える。
余談だが、ヒガナパを使ってた人の変則ドラテイワZガチゴラスはとても興味深い運用方法だったので、丸パクリして作るなどした。ガチゴラス好きの人はぜひどうぞ。
化石統一での型の一例
弱点を広くつける牙技は手放せない。馬鹿力などと入れ替えていくのがよろしい。
Sはカブトプス同様中速なので振っておいて損はない。が耐久に振ると地震を耐えたりめざ氷やマジカルシャインも耐えるためにPTと応相談。
アマルルガ
印象
7世代を通しての強化はユレイドル同様なし。
ただし、シングルレートでのアマルルガ入りレート2000到達者が同じシーズンで3人も登場したりと、取り巻きを含めた強化はされているのでだいぶ彼の器用さや差別化のしやすさは評価されたのではないのかと考える。
化石統一でも電磁波アンコールやHの高さからチョッキで水受けミラーコート、フリーズスキンでの物理型などもこなせる、ちょっと変わった役目が多い。地面をタイプで牽制している感じもよく出ているので、かわいいだけとか耐性はしょぼいとかそういうことはあまり感じない。
化石統一での型の一例
バシャーモなどの飛び膝蹴りを守るで透かしつつ、アンコール守るで数的有利をとったり普通に襷で耐えてランドロスを吹雪で落としたりと、アマルルガ特有の攻撃と場荒らしの2面性がみられる型。ミラーコートなどは各自お好みで。
7世代総括
実はSMではシンオウ組とイッシュ組の化石をショップで入荷し、プテラをストーリー内で譲ってもらえるため、バンク解禁前でも化石統一が組めた(シーズン1だと化石ポケモン知らない勢がいるとか型破りのないドリュがいないなどが起こるためにこの統一はかなり強かった)。
そしてまさかのUSMで全化石ポケモンがアローラ図鑑入りするという奇跡が起きた。5世代から先に行くためにはインターネット環境が必須のため、化石ポケモンはXYのポケバンクなどで都度行われていた互換切りに耐え抜いているのである。こいつらほんとにこの世界では絶滅してるんか…?
さらにイベントまで視点を広げると、驚愕の事実も浮かび上がってくる。
ポケモン総選挙でのアーケオス32位、超ダンでの探検隊にアーケンがメンバー入り、ポケモンGOの社会現象化においても中々珍しいポケモンに設定される、Pokemon Fitというぬいぐるみ化においてオムナイトが瞬時に売り切れる、岩手県タイアップのマンホールにチゴラスなどが設置される、ポケモンマスターズ初期のメンツに70体強のポケモンの中で3匹も化石ポケモンが実装される、WCSの配布にプテラが選ばれる、などなど…
なんと、化石ポケモンは6と7の世代の過渡期から今に至るまで、優遇される傾向にあったのである!
まあいくつかはほんとに人気なのかと疑わしくなるものもあるだろうが、対戦にしろ、色粘りにしろ、二次創作にしろ、ポケモンというコンテンツはすべて等しく「ポケットモンスター」という架空の生物の、姿や数字や設定などいろいろな面の魅力によって成り立つキャラゲーである。たくさん種類がいる中で、これだけのピックアップが行われている化石ポケモンたちが優遇されていないなどは口を割けても言えないだろう!
また、化石ポケモンは1/3/4/5/6世代で追加されている。つまり休止期間は1世代分なのである。これは経験則的に言えば、8世代で化石ポケモンが出る可能性を示しているのだ。みんな発売されるまでおとなしく正座して待とう。