化石ポケモン博物館に計2回行ってきた記念としてレポを書きます。
国立科学博物館(2022/3~2022/6)、群馬県立自然史博物館(2023/7~2023/12)の2か所に行ってきました。本当は1年半前に前者のレポを書くつもりだったのですが途中で飽きたので…
化石ポケモンが好きならば、自分の地域の近くに来た時に一度は足を運ぶべき企画展だと思います。そういう想いが少しでも伝われば何よりです。
ポケモン化石博物館とは?
ポケモンの化石が展示されている博物館がオープン!…ではないです。
ポケモンの展示と実物化石の展示をしている特別ブース展示であり、日本各地の博物館を間借りして行われている企画となります。2021年7月から稼働しており、2024年3月までもイベント確定している企画なため、ポケモン本編の世代を跨いでいる珍しい企画です。詳しくは下記リンクをご参照ください。
もちろん、1時間電車に揺られれば到達するほど近くに博物館なんてないよ…という方にも朗報です。上の公式リンクから、なんと過去に開催された展示のVR観覧ができます。いくつかの会場しか選ばれていないとはいえ、無料でこんなの観てもいいんですか?!?!*1
まだ行けていない人、過去に近くの地域で見るのを忘れた人はぜひこの機会に観てまわってください。PC環境でもスマホ環境でも3D酔いにだけは気を付けていってらっしゃいませ。
VRで観てきた方、既に観てきた方々、お疲れさまでした。ようやく個人のレポに移ります。
国立科学博物館のレポ
国立科学博物館には何度か足を運んでいるのですが、いつもの企画展と違って日本館に企画展が存在していたので、いつもとは違う入口から入場。特別感のある中で迎えてくれたのは
本企画の描きおろしイラストがお出迎え!今回撮影するにあたって連れてきたリリーラも心なしか嬉しそうだ。
【お仕事】ドギャーッス!🦕🦖
— ありがひとし🌇🦖 (@ariga_megamix) 2021年4月20日
巡回展示「ポケモン化石博物館」
発掘ピカチュウの衣装のデザイン、メインビジュアルを担当させていただいております!
長年の夢の仕事でした✨
ポケモン化石博物館がいろんな興味のきっかけになってくれたら嬉しいです✨https://t.co/No4SRMHQPW #ポケモン化石博物館 pic.twitter.com/Hwvbr7n4Qk
すてきなイラストが終われば、どの会場にも入口として待ち構えるプテラがお目見え。(写真は最後に撮ったせいで横からです)
さて、お待ちかねの化石展示へ。…と思ったら、どこを見渡してもいつものポケモンの姿も見たことあるどうぐも、古生物の化石もパネル展示もある!!一つずつ回っていくこととしますか…
図鑑番号順らしく、まずは化石で一番図鑑番号の早いオムナイトの方から。三笠市は異常巻きアンモナイトの発見などで有名なため、こういう化石を見れるのは千載一遇のチャンスです…!
パネルにはアンモナイトとの比較なんかやオムスター絶滅の理由が書かれており、化石ポケモンに詳しくなくてもここでポケモン図鑑が開かれているような気分。普通のポケモン好きも安心して眺められる設計だ。
そういえば体のつくりの関係上(構造上彼らは違う生き物なのだ)アンモナイトはオウムガイよりもエネルギー効率がよく、オウムガイよりも成熟が早いなどの研究結果があるみたいですね。オムスターがレベル40という遅めで進化したり、進化時の技でかみくだくを8世代で習得したのは、ゆっくり動いて死体を漁るようなオウムガイと生態を似た形にしたからかもしれません。考察が捗るな…
次はどうぐ、骨格、ポケモンの姿の3点セットを揃えられた優遇ポケモン、カブト一族の登場!ピカブイの写真なんかもあって「うわぁ初代のニビ博物館にもあった!」を思い出させる一品です。
カブトについてだけでなく、カブトガニと化石を並べているあたりもオシャレ。企画のコンセプトである、現実化石とポケモン世界を行き来するような知的好奇心をくすぐってくるのがとてもよい。
いやわかってますね本当にこの企画は(早口オタク)
プテラはランフォリンクスみたいにバランスをとる尻尾をしつつ、食性としては腐肉食や恐竜の幼生を襲った可能性を示唆されているケツァルコアトルスのような生き物で非常にいいんですよねどちらのハイブリッドという感じでも。いやアクアテールとか覚えるから個人的にはこの歯を持っていても魚食のプテロダクティルス寄りなのではないかと思われ…
…はっ、失礼。パネル展示はポケモン好きかつ化石にも詳しい人々の監修のため、考察好きな人間だった場合非常に盛り上がれるいいものだという例をご紹介しました。
その他色んなポケモンの展示を見ながら、始祖鳥の有名な標本を見るなどします。「○○のカセキ」の展示なんかが作られる日が来るなんて夢にも思わなかったので、ポケモンファンとして非常に嬉しい限り。
ということで、リリーラにもご対面!!!狭い特別展のスペースの中、トリケラトプスのような化石を置くかこういう子を置くかは悩ましいラインでしょうね。優遇されている彼らにパシャリ。
きちんと化石にもご挨拶しましょう。ウミユリは浅くて暖かい海だということを示唆する化石(示相化石)として有名なことや、棘皮動物門は既に滅んだグループにも面白い生き物がいるのでいい感じの子達です。よければ「座ヒトデ」とかで検索してみてください。
ちゃんと私の嫁にもご対面。こんなデカい子が3世代のかわいさコンテスト無厳選最優秀個体とか信じられないぞ…
なんと、化石から復元されることのないジーランスなんかも展示に。シーラカンスと見比べると似ている姿が多いと気づかされます。
さて、国立科学博物館から追加されたポケモン展示、ガチゴラス!…の進化前もいました。「おおきさ0.8m」にびっくりするサイズです。
進化についてや博物館の役割、7世代化石ポケも加わったり、原始の力組も紹介されています。パネル展示もかなり力が入っているので、企画展で足を運んだ際はぜひ一度目を通してはいかがでしょうか。
そしてサプライズな壁面イラスト!哺乳類にはないのですが、両生類、爬虫類、鳥類は眼輪という眼の筋肉の代わりの骨があります。そこまで詳しく描かれた骨格想像図、これはプロの仕業だ!生物に詳しければ詳しいほど興奮できる要素が多くて、今後もリアル生物知識を増やしたくなる要素になっています。
さて、出口を出てからグッズを購入し(次ページでちょっと触れています)その出口で企画の垂れ幕とまさかのベトベターにご対面!
ベトベターはなんと次の年である2023年の横浜のWCS会場でもゴミを飲み込んで喜びの声をあげていたとのことで有名になりましたが、こんなに前から現実に実装されているのでした。
垂れ幕から下に目を移すと、ついに国立科学博物館から追加されたガチゴラスとの対面!隣に並ぶタルボサウルスと同じような大きさとなっていて圧巻でした。
その後は他の化石や現代のオウムガイだけでなく、じょうききかんセキタンザンやアオガラスなんかにも勉強することができます。じっくり見ていたら地球館と日本館合わせて1日では足りない大きさですし、ご飯スペースもあって恐竜足跡ハンバーグなんかも食べれます。特別企画展のポケモン化石博物館がなくても楽しいぞ!(実際にこの画像は2022年5月に行った際の画像です)
博物館好きならば東京観光地の中では非常に満足度が高いと思うので、国立科学博物館にぜひぜひ足を運んでみてください!
群馬県立自然史博物館のレポ
さて、今年の方のレポをば。
7/15~12/3まで化石ポケモン博物館を開催している群馬県立自然史博物館は、当日入館までに予約ページから「何人で来館予定」などの登録が必要。ですが、土曜日当日予約でもかなり余裕をもって登録できました。JR高崎駅から上信鉄道に40分揺られると博物館の最寄り駅の上州富岡駅(あるいは上州七日市駅)に到着するため、その電車内での予約でも間に合うはずです。
最寄り駅に着いてからポケモンGOをしながらぶらぶらと20分強。国道から逸れて坂道を行き、公園内に入るとようやく入り口が見えてきました…!
群馬県立自然史博物館は「通常展示だけ見る」みたいな料金プランのない、一本道の博物館コースのため国立科学博物館よりもポケモン化石博物館の値段は安かったです。
大粒の汗を流しながら、せっかく長めの散歩をして来たのだから通常展示の方も覗いてみましょうか。
…?! なんかもう既にポケモン化石博物館が始まってる?!
通常展示の方は、「昔懐かしさを感じる恐竜の動くモデル」のような観光として消費されるコンテンツと、多めの標本展示に学術的なパネル解説でマニア心もくすぐる、一般客もマニアもどうぞな作り。そんな中にポケモン化石博物館もあったら全部回るしかない!
さて、そんな中見つけたお気に入り展示はこちら。
近くにはプテラノドンの展示がありましたが、始祖鳥の展示を私のお気に入りとして紹介します。有名な標本のレプリカがまとめてこちらで見られるのは僥倖。始祖鳥といえばこれ!な化石とそれに準ずる化石シリーズです。もっと専門的に言うならば、これに近い骨格じゃなければ始祖鳥じゃないよ、という指標となるホロタイプ標本があるからこその他の始祖鳥も同じだと観察できるのがいいですね。
他にも展示でゆっくりとカラスなどを見た後に、通常展示コーナーが終わって特別展示ゾーンへと入っていきます。
まずは大きなアンモナイトがお出迎え!きちんと反対側にはオムナイトの展示などもありましたが写真は割愛。
アノプスとのツーショットも載せたいところですが、群馬県立自然史博物館のマニア心くすぐるようなアノマロカリスなどの化石が良い感じでした。やはり展示方法は開催場所によって変わるようで、それぞれの個性が出ていますね。色んなところから標本を借りていることによる「イベントの歴史の重み」が出ているのもこれまたGOOD。
国立科学博物館では出しませんでしたが、タテトプスやズガイドスの展示もありますよ。トリケラトプスと並ぶトリデプスは鉾と盾といった具合で中々味があります。
そしてなによりも2023年の訪問でずっと楽しみにしていたのは…
君じゃなきゃダメみたい!
2022年夏の豊橋会場から追加されていたアマルルガとようやく対面できました。嬉しいです。
おかげでこの展示をいろんな角度から撮るクソキモカメラ小僧が爆誕していたので、他のお客様にご迷惑をおかけしたかもしれません。皆さんは周りに気を付けてポケ活しましょう。
天井まで使った展示や「○○のカセキ」シリーズ、メガネウラなんかの展示もありました。パネルもそうやって並べられるとただ読んでいるだけにならずに済むので面白い。
そして、カブトプスや並んだチゴラス一家に挨拶をして、グッズを購入してしまい、会場を後にするのでした。電車でお越しの方は、館内を楽しむだけでなく帰りの歩きの体力を残して観覧することをお勧めします。
どちらも見ていて非常に楽しい展示でした。他の会場もできることならば全部回りたいとは思っていましたが、開催の度に飛行機代とか休日が複数日持っていかれるのはしんどかったので、とりあえず私のポケモン化石博物館巡りレポはこれにて終了となります。
毎開催ごとに展示や魅せ方が変わるポケモン化石博物館、ぜひご堪能あれ。
化石博物館2つの記事としてはここまでで纏まっているのでいったん〆。ブラウザバックする人向け。
ここからは小ネタです。
・購入したグッズについてのレポ
こういう特別展示あるあるのグッズ。やっぱりイベント価格、って感じでめっちゃ財布が死にますよね。私はこの予想外の出費(2回)のせいでもやし生活を強いられているので皆様にも強要したい気を付けていただきたいと思います。
グッズも色々ありますが、各展示ごとにグッズが無かったり、あるいは種類が増えていたり(例:群馬開催からポストカードにタテトプスが増えた)、そういった細かいところはぜひ企画自体を追っていただければと思います。ここでは自身が購入したものについて述べるだけです。
①フリーサイズのTシャツ。フリーサイズなので(?)180㎝以上の人が着る場合はちょっと小さいかな?という印象。
私が購入したのは左上のポケモン大集合なイラスト。ガチゴラスなどのデザインに参加しているありがひとし先生が描き下ろした、化石ポケモン(ついでにジーランスとかも)を箱推しできる神グッズ。洗濯で今後ダメにならないといいな…
②ハンドタオル。こちらも企画の公式絵が使われている。
絵のある表面はタオル生地っぽくない感じなので手がかさつく人にも向いているかも。その分吸水性は落ちるといえばそうだがハンカチにそこまで求めるものでもないか。
③バンダナ。バンダナ、使う場面が限られているので買うかどうかの選択肢には入りづらいとは思われる。
しかし、特筆すべきはどちらもイラストアドが高いこと。黒いほうは展示でも使われていた化石ポケたちの骨格想像図。眼輪まで描かれているのは古生物ファン垂涎モノだろう。赤いほうは使いやすいポケモングッズとしていい感じ。
④クリアファイル。良くも悪くもクリアファイル。どちらの面も透明部分はないので、家庭内で無くしたくない書類など保管するためには向いているだろう。
⑤アクキー。大きいサイズであるため値段がそこそこ張って全部揃えようとすると財布が悲鳴をあげる。
骨格予想図は本当にイラストアドが高くてよい。実際に古生物としていそうな5匹を選んでいるため、ポケモンに詳しくない人にはバレないよいグッズかもしれない。
私は「アイコン一致ガチゴラスだ!」とか笑って遊んでいたらフック部分を開封後3分で壊したのでイベントグッズの耐久度であることには気をつけたい。壊すな。
ということでオススメはバンダナです。本当はポストカードも揃えたり、メモや自由帳も欲しいところですが一々ピカチュウが映ってるのが腹立つのでお金が足りないので我慢しています。うーん悩ましい。
・なんか動画とか
こういう古生物に関わる人の動画とか面白いですよね。観てきたあとだと知識が沁み渡る…
異常巻きアンモナイトについてはどのポケモン化石博物館でも触れられているハズなので興味があれば。
・豊橋会場について
X(旧Twitter)のFFさんが豊橋会場へのアクセスなどについてめっちゃ書いてくれました。豊橋市にもお邪魔する予定でしたが、旅行予定日にコロナに罹患していたので泣く泣く豊橋でのレポはお蔵入りに…
本当は国立科学博物館に行った後に書いてこれを紹介したかったのですが、時の流れはフシギダネ…
豊橋市からアマルルガが追加されたため、豊橋会場まででVR展示は終わっているものだと思われます。これ以降はポケモン側の展示は変わらず、各会場でアンモナイトなどの化石展示が変わっているのではないかと推測されます。例えば、豊橋会場は豊橋市自然史博物館に所属している著名な研究者によるアンモナイト標本の展示が惜しみなくされているように見受けられました。
こんな感じでそこの地域の観光も一緒に楽しめるとよいですね。