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アーマルドは パワージェムを つかった!

化石ポケモンにパワージェム下さい。モブ(@XXXrhsx)の雑記になってます。

「ポケモンの育成方針」という当たり前のお話

 ポケモンには育成方針というものが存在する。という話をしたい。

 少し考えれば当然のことだが、我々人間は基本的には適切な場所では適切な動き方をしなければならない。例に挙げるとすれば、友人と話す際にはタメ語で方言も丸出しでも構わないだろうが、初見で歳の30も離れているような人相手にプレゼンテーションを行う場合にタメ語で知らない方言を使っているようなことをしたら大方クソムーブである。
 同様に、ポケモンにも育成方針は存在する。旅パでは旅パの、対戦では対戦の、それぞれの振る舞い方がポケモンにはあるということである。そして、この稿では主にポケモン対戦においての育成方針の違いが出てくる、ということについて触れていきたい。


 反対意見を先に述べておくと、一般的なオンラインのポケモン対戦ということにおいては、ポケモンという属性自体がキャラクターごとに分化し、必要な仕事で呼び出せばよいような履歴書採用が普通である。つまり旅パではともかく、対戦での振る舞い方は大体”テンプレート”に沿うのではないのか?という話である。例えば、弊社に水タイプを倒せる人材が欲しいのであれば、電気なり草タイプの中から採用したいHAゴリランダーくんやCSサンダーくんを即戦力にすればよいのだ。

 しかし、ポケモンというのはもともと分化されている要素からピックアップする方式だけでなく、ポケモン個々へのキャラクター性を重要視して採用することも多々ある。俗な言い方をすると「○○を使いたかったから主軸にした」というようなものである。最初は水タイプ対策でサンダーを選んだのに、その後サンダーが気に入ったので電気枠や飛行枠がいなかったら(草や水対策枠はいるのに)サンダーを選んでいる、あるいはサンダー入りの飛行統一をする、なんていうようなものである。その場合、ただ”テンプレート”に沿うように採用し、周りを整えるのも一興だ。しかし、パーティ内での仕事を与えるために”テンプレート”から外れた変な型に変えられるというのが、「主軸にしたい」パターンに見られるのではなかろうか。

 

 さて、対戦内でもポケモンの振る舞い方が変わってくるという本題に入ることとする。育成方針が違えばどのような結果をパーティにもたらすのだろうか。

 ここで、育成方針の違いについて、ポケモン対戦でランクマッチなどを行っている人、及びそれに近い思考を持つ人にとっては、とても当たり前の話なのである。例えば対戦においてムゲンダイナを採用する場合、S130族スカーフというスイーパー期待や、眼鏡やメテビのダイマを切らない火砲のアタッカーヘドロ+コスパ再生の受けなど、ムゲンダイナという1種族なのに使い方が(あるいは倒せる敵が)ガラッと変わるのがよくわかるだろう。どういうムゲンダイナがパーティに合うかどうかを考えながらパーティに入れるのがトレーナーの腕の見せ所の一つであることは間違いない。

 もっと別の例で詳しく見てみよう。威嚇ガオガエンの振り方を3つ想定する。①HB振り、②HD振り、③AS振りである。

 ①HB振りは、物理アタッカー相手に後出しすることができる。王ザシアンの巨獣斬+聖剣を耐え、威嚇+鬼火などで目当ての物理ポケモンを弱体化させてこちらのアタッカーを通しやすくするようなことが主な目的である。

 ②HD振りは、特殊アタッカーに対して投げてバークアウトや捨て台詞で弱体化や攻撃を行うことができる。ガオガエンは炎/鋼/霊/悪/氷/草に耐性を持つので特殊アタッカーにタイプ的には強く、HDにするとイベルタルの特殊ダイジェットのような交代読みですら確定3発に抑えて捨て台詞ができる。よって、物理特殊問わずに広くサイクルの駒になるのが目的である。

 ③AS振りは、威嚇で最低限のデバフをもった物理アタッカーとしての運用ができる。炎悪の攻撃範囲は広く、単タイプでは両方を半減できるポケモンはいない。また、①や②では努力値も技スペースも厳しいが、アタッカーとしてサブウエポンを採用すれば苦手なバンギラスを上からけたぐりしたり、ラムギャラドスをケアできない鬼火ではなく雷Pを差し込むこともできる。もちろん威嚇さえあれば対面で聖剣ザシアン程度には撃ち合いで負けないので対面要素やとんぼ返りなどの対面操作も兼ね備えている。したがって、自身でサイクルを崩せる要素を持った対面チックな威嚇枠が目的となる。

 さて、一つずつ解説していたがこれを比較して、何が一緒で何が違うか簡単に見よう。①②③共通して、炎枠で威嚇ができるのでナットレイ、型によってはザシアンを相手できる。①②はH振り以上の硬さがあるので、鬼火採用であればゼクロムのような物理ポケモンにも仕事ができる。③は等倍物理相手には押し負けるが、バンギラスの処理ができる。①は巨獣斬+インファイトのザシアンまで相手ができるが、②や③は無理である。②はイベルタルのダイジェットを確3に抑えることができるので①③と比べて簡単に起点にならない。

 単体のポケモン相手の振る舞いが努力値や技の採用でこのように違ってくるのだから、パーティにとってどのガオガエンを採用するかは絶対に変わってくる。パーティにフェローチェカマスジョーといった耐久のないポケモンばかりだった場合、確定数をずらしたい中火力やダイマックス相手に時間を使うことができる①②のほうがいい。間違っても③を入れたらザシアンへの対策が減るだろうことは想像がつく。ダイマックスなどの要素を含めて物理相手に強いアタッカージュラルドンがパーティにいれば、①よりも②のほうが特殊もカバーできるので幅広く受けにいけるためより適任だろう。別のパーティにオリジンギラティナのようにサイクルを崩すのに時間のかかるポケモンがいれば、サイクル戦が得意なバンギラスなどを即崩せる(しかも①②のおかげでバレにくい)③がいいのではなかろうか。

 以上のように、ポケモンにはただ一つのテンプレートで成り立つのではなく、育成方針というものが絶対に存在する。狭義のポケモン対戦であるシングルランクマッチですら、このようにパーティによって変わってくるのだ。

 

 さて、本題である。シングルでこうなのだから、他の環境であればどうなのだろうか。トリデプスを例にしてみる。

 トリデプスはシングル化石統一であれば物理型を使う必要がほぼないため物理型で育成する必要がない。化石統一の中では特殊炎を使う子がほぼいないため、ナットレイを対策する枠としてはジャイロなどに受け出しもできるし特殊炎が撃てるトリデプスは特殊がメインになるからである。物理型でアイアンヘッドを使った場合、アバゴーラと同じダメージ量しか与えられないことからも物理であることが必要ないことが想像つくだろう。

 また、起点作り型についてもシングル化石統一では同様である。頑丈ステロ反射技に放置されない地割れ吠えるや挑発対策のマジコもあるので通常パにはいてもいいかもしれないが、化石統一でのステロはまず鋼などのステロが痛くないポケモンを出されることや、型破りドリュウズなどの天敵がいることから簡単に仕事ができるものではないのである。よって、特殊トリデプストリデプス内ではメジャーになるだろう。(BDSPでボディプレスを貰えていればよかったのに…)

 しかし、これだけ批判された物理トリデプスに関して、トリプルバトルで化石統一(あるいは通常でトリデプスを採用でも)をする際に、ワイガが使えてハイボや滅び耐性があり、硬いニンフィアにA特化アイヘで半分以上はダメージを与えられるのでアリである。

 また、攻撃性能が低いトリデプスだが、旅パでトリデプスを使うならばPPの少ない中で唯一安定したPPのアイアンヘッド+デパートなどで買える火炎放射などの技マシンで頑丈持ち両刀アタッカーとして使用することができる。レジェンズアルセウスでも歪み出現で手に入れてパーティに入れたならば、後出ししやすい鋼タイプの1匹で鋼技/岩技/大地の力で物理特殊問わず広く範囲をとっていくことができる。

 

 こういう風に育成方針は対戦環境やパーティを組むときに左右されるのだが、一般的なシングルだのダブルだののイメージにとらわれず、あるいはコンセプトパーティに合わないだろうと思っていた型の育成も、新たな方針が見えてきてよいと思われる。

 そういう意味で、その1種族のポケモンの型をASだろうとHBだろうとCDだろうとパーティに必要だから合法的に作ることができる種族統一ってやっぱいいよね。おしまい。